大崎住民訴訟を支援する会 設立記念 井戸謙一氏講演会を開催しました
12月22日、大崎住民訴訟を支援する会結成記念の井戸謙一氏講演会は110名の参加者で成功裡に開催されました。
大崎住民訴訟は放射能汚染廃棄物の混焼による焼却炉周辺住民の長期にわたる低線量被ばく(とりわけ内部被ばく)のリスクを問うものですが、井戸氏は講演の中で原告住民の主張に強力な根拠を与える重要な指摘をいくつも行いました。
まず重要な点は、「内部被ばくのリスクは個々人によって、さらには個々人の体内においても不均一なものである(偏在している)。にもかかわらず、それを実効線量(つまりシーベルトという単位)で平均化し、おしなべて評価してしまうことの問題性」です。
その最たるものが、不溶性放射性微粒子(セシウムボール=CsMP)の問題。福島原発事故で放出されたセシウムの多くが不溶性微粒子の形をしており、それは肺胞などに沈着し長期間留まって、周辺組織の細胞をガンマ線で攻撃し続ける。第二には、放射線感受性には個人差があり、生物学的半減期は同じ性別・年齢であっても10倍から100倍の差が存在すること。
井戸氏は『原子力ムラの思惑は、市民に広く薄く被ばくを強いることによって、「放射能はたいして気にすることはないんだ」と洗脳し、「被ばく被害の軽視・無視」を植え付けること。大崎住民の起こした裁判は、全国の先陣を切って、これに立ち向かうもの。頑張ってほしい』と、大崎住民訴訟の意義を述べ、私たちを励ましてくださいました。